治療内容

その他の特殊点滴療法のご案内

αリポ酸点滴療法


αリポ酸は、別名チオクト酸と呼ばれ、1951年に生化学者レスター・リード博士により、肝臓から分離されました。αリポ酸は、細胞レベルでエネルギーを作り出す過程で、補酵素として働きます。αリポ酸点滴療法は、ニューメキシコ州立大学統合医療センター臨床教授であるBueton先生により確立されました。この療法は、αリポ酸を摂取することで、多くの炭水化物・脂肪・蛋白質という燃料を細胞内でエネルギーを増やします。これは何を意味するかと言うと、αリポ酸は癌患者などで特有の嫌気性代謝を好気性代謝に切り替えることを意味します。癌患者の体は、エネルギーを作り出すのに非常に効率が悪いのです。エネルギーを作り出すために多くのエネルギーを消耗します。
これに対して、αリポ酸は多くのエネルギーを作り出すことで、弱った細胞の機能を強化します。
このように細胞内に効率的なエネルギーを作り出すことで、筋肉運動、成長、組織の細胞修復などの仕事を使えるエネルギーを増すことができるのです。

また、αリポ酸は遺伝子レベルで、細胞に対するダメ―ジを予防する並はずれた能力を有します。
そのひとつに、放射線防御があります。1986年に、チェルノブイリ原子力発電の事故において、その周辺1000km以上の土地が低レベルから高レベルの放射性物質で汚染された際に、ロシアの科学者はαリポ酸が放射線障害に対する効果的な治療法であることを見出しました。現在、日本において人間もそして動物も放射線被曝の危険性が日に日に増しています。放射線は、DNAを切断したり、体に多くのフリーラジカルを発生させます。αリポ酸はこのフリーラジカルを消去する作用があります。
これはαリポ酸自体に抗酸化作用があるだけでなく、ビタミンC、ビタミンEそしてグルタチオンなどの他の抗酸化物質を再生しリサイクルするのです。その他には動物において、放射線治療の副作用を中和したり、人においては抗癌剤治療の副作用を軽減することが示されています。

さらにαリポ酸は体内の重金属を排泄するキレート剤(デトックス剤)として働きます。
重金属の中には、ごく少量であれば体に必要なものもいくつかありますが、過剰にたまったり、体に害のある重金属(水銀やヒ素、鉛など)が蓄積すると重大な病気になりえます。
1960年に、αリポ酸は犬の血液と組織から簡単にヒ素を除去できることが発見されました。αリポ酸でキレートができる重金属には、水銀、ヒ素、銅、過剰な鉄、カドミウム、過剰なカルシウム、鉛などがあります。

最後にもうひとつのαリポ酸の効果を上げます。それは、αリポ酸はすべての臓器の幹細胞を刺激するというものです。これは前述のBurton先生によると、「LDN(これについてはLDNのページ参照して下さい)とαリポ酸を行うと関節の変形がなければ、関節も完全に治癒できる。肝硬変は、LDN+αリポ酸+ミルクシスルで治癒可能。」とおっしゃていました。
要するに、αリポ酸は臓器の再生を促すという事です。これは、肝不全や腎不全に応用できると思います。特に肝硬変にはかなりの効果があるとされています。

このように多くの利点を持つαリポ酸点滴療法ですが、この治療は猫ちゃんでは利用できません
ワンちゃんのみ適応可能です。猫はαリポ酸に対して感受性が異常に高く問題を起こす可能性があるからです。
__ (2).JPG


プラセンタ点滴療法



プラセンタとは、胎盤のことを指し、成分として、各種ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸、核酸や様々な細胞成長因子・サイトカインなど多岐にわたる有効成分が含まれています。古来プラセンタは不老長寿の薬、滋養強壮薬として珍重されてきました。現代においても人の領域では、B型肝炎、アンチエージングの他、アトピー性皮膚炎、免疫力の亢進、自己免疫性疾患などに使用されています。また、動物が出産後に胎盤を食べることで産後の体力回復に役立っていると考えられます。

胎盤の薬理作用としては以下のようなものがあります。


  • 自律神経調整作用

  • 強肝・解毒作用

  • 基礎代謝向上作用

  • 免疫不活作用

  • 抗炎症作用

  • 創傷治癒促進作用

  • 内分泌調整作用

  • 活性酸素除去作用

  • 血行促進・造血作用


効果が期待される病気としては、肝炎、肝硬変、潰瘍性大腸炎、糖尿病、喘息、貧血、便秘、角膜炎、ぶどう膜炎、白内障、歯周病、病中;病後の体力回復などがあります。
治療としては、皮下または筋肉注射を週1~2回行います。
また、特に肝炎などの場合は、ビタミンや強肝剤などと合わせて週1回点滴します。
眼科領域では、プラセンタを点眼することで、角膜潰瘍の治療などにかなりの効果を発揮します。


グルタチオン点滴療法


グルタチオンという名前を聞いたことの飼い主さんも多いと思います。グルタチオンは主に強肝剤や点眼薬として有名ですね。このグルタチオンは、細胞内の抗酸化物質としてもっとも重要と言われています。(細胞外ではビタミンCが抗酸化物質として重要)早い話が、細胞内に生じたフリーラジカルを消去する重要な役割を担っています。このグルタチオンは、ビタミンCと強い相互作用を持ち、互いに再充電(還元作用または抗酸化作用)し合います。
細胞内のフリーラジカルが沢山生じると、ミトコンドリアなどの細胞内構造物が障害を受け、慢性変性疾患に陥りやすくなります。実際に癌、肝硬変、腎不全などの慢性変性疾患においては、細胞内・細胞外に関わらず、グルタチオンとビタミンCは低い濃度になっています。
グルタチオン点滴療法は、強肝剤としてだけではなく、抗がん剤などの化学物質のデトックスや慢性変性疾患に補助療法として行います。特に、シスプラチン、タキソールやビンクリスチンなどの抗癌剤により発症した末梢神経障害には効力を発揮します。また放射線内部被曝によるフリーラジカル除去にも効果があると思います。


ニンニク注射点滴療法

ニンニク注射は、アリナミンF(フルスルチアミン)を点滴・静脈内投与する療法です。この薬剤自体ニンニクのような臭いがするためこのように呼ばれています。この療法は、疲労物質である乳酸を代謝し、糖のエネルギー産生を促進するため、疲労回復に有効です。季節の変わり目などで疲れやすくなった場合や、激しい運動などでバテ気味のワンちゃんにお勧めです。
投与頻度としては、ケースバイケースですが、概ね週1~2回ぐらいが良いでしょう。



マイヤーズ・カクテル点滴療法

マイヤーズ・カクテルというと、何やらラム酒かお酒のカクテルのようですが、この療法はメリーランド州開業医John Myers先生は発案し、その後、アメリカホリスティック医学協会元会長のアランR.ゲイピー先生がエビデンスに基づき再現した、統合医療ではスタンダードな点滴療法であります。実際には、体に必要な栄養素であるビタミンやミネラルを点滴投与する治療法です。
ビタミンやミネラルを直接静脈内に投与し、血中濃度を急速に上昇させることで薬理学的な効果を期待します。
点滴する内容としてはマグネシウム、カルシウム、ビタミンB1,B2,B3,B5,B6,B12,Cなどがあります。これだけみると、普通の点滴のように見えますが、たとえばビタミンCは血中濃度をある濃度まで高めるとヒスタミンの72%を分解します。すなわち、ビタミンCを有効に使えば、アレルギー疾患に有効です。
また、マグネシウムをうまく使えば、平滑筋の弛緩作用をもたらし、狭心症や気管支喘息の治療に有効なのです。要するに、マイヤーズカクテル療法は、栄養効果だけでなく、薬理学的効果も発揮する治療と言えます。

マイヤーズの適応症としては
気管支喘息、アレルギー、心不全、狭心症、慢性疲労、慢性蕁麻疹、甲状腺機能亢進症、慢性副鼻腔炎などが挙げられます。

なんか元気が無いな~とか、病後や術後の回復などにもお勧めします。